2011年4月20日

世界水没地図


「(地球温暖化などで)海面水位が上昇した場合」をシミュレーションするサービスが興味深い。
おそらく、等高線の情報をもとに作っているのだと思う。海面水位は画面左上のプルダウンで選択できる。

http://flood.firetree.net/

画像はこのシステムによって水位が最大60メートル上昇した場合の想定水没地域。

1メートル、海面が上昇すると、千葉県茨城県の境の利根川沿いや霞ヶ浦付近の水田地帯がだんだん浸水していく。都内は隅田川や多摩川河口付近で浸水がはじまる。

2メートル。
羽田空港付近の水没が始まる。
江東区、墨田区、葛飾区、浦安市、船橋市、松戸市、八潮市、三郷市あたりの河川沿いが溢れ出す。
千葉は印旛沼や手賀沼付近が浸水していく。

3メートル。
成田付近から我孫子にかけての水田地帯が浸水していく。
都内は中川、隅田川、江戸川流域が徐々に水没していく。
房総半島は千葉市沿岸部や市原から袖ヶ浦・木更津に掛けて海岸線が内陸に寄っていく。
九十九里浜は海底になる。

4メートル。
利根川沿いの浸水はつくばみらい市にも迫る。
神奈川県では川崎市、横浜市の水際は水没する。
九十九里浜はなくなり、水は茂原や東金の手前に至る。

5メートル。
利根川の河口はまるごと入り江になる。
墨田区から板橋区にかけての高台は残るが、23区のうち低地地帯は沈む。

6〜9メートル。
江東区、墨田区、品川区、江戸川区、葛飾区、足立区、浦安市、から市川市、松戸市、三郷市、草加市、流山市、越谷市、戸田市までは東京湾の一部になる。
利根川付近に広がる太平洋の入り江は、野田市あたりで東京湾とつながりはじめる。

13メートル。
房総半島は島として孤立する。
千葉は126号線に沿って海岸になる。
静岡県も富士から沼津に掛けての低地が水没する。

20メートル。
東京湾は幸手、久喜、加須を超えて、館林、熊谷、古河、下野市にまで至る。
茨城県南部は筑波山付近を残して水没する。
神奈川県も平塚、茅ヶ崎市の相模川河口は海の下。

30メートル。
関東平野は関東湾になる。
千葉島は細かい川をたくさんもつ、南北に細長い島になる。銚子付近は離れ小島。

40メートル。
飯能、日高、入間、東村山、所沢府中、多摩、町田市あたりが海岸線になる。杉並区半島になる。

60メートル。
三浦半島は大楠山付近のみが残って島となる。
相模鉄道本線沿いの大和市、座間市の一部が半島になる。
千葉島は南部の山間部のみが太平洋に残される。
北部は藤岡から栃木、鹿島への東西のラインが海岸線に。
この水位になると浜松から名古屋の木曽川流域は水面下になり海岸線は岐阜付近へと迫る。大阪も水没し、奈良付近が出島のように突き出る半島になり、大阪湾は京都のすぐ南にまで迫る。


本来、江戸は「武蔵野国」の低湿地帯であった事実を思い出す。

だいぶ前に完結したわたしの好きな漫画『横浜買い出し紀行』では、地球温暖化による水位上昇と富士山噴火という天変地異の後の関東のゆっくりと滅んでいく姿を「凪の時代」「黄昏のころ」と表現して独特の空気感をもつ漫画になっていた。

他にも水位上昇を描いた作品としては、わたしの知る範囲では安部公房の小説『第四間氷期』がある。前半は「未来予知機」を巡るSFサスペンス。後半はその後の人類を切なく描く。

「遠い未来の話じゃ、自分は死んでるからいい」って? いやいや、そんなこと言わないで。予測とは、そういうものだって。

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